「借入の返済が重くて資金繰りが苦しい」「銀行への返済をこのまま続けられるか不安」。
そんな悩みを抱えたとき、誰に相談すればよいか分からず一人で抱え込んでしまう経営者は少なくありません。
実は、こうした事業再生の相談を無料で受け付けている公的機関があります。
それが「中小企業活性化協議会」です。
この記事では、中小企業活性化協議会がどんな機関で、何を相談できるのか、利用の流れと注意点を中小企業診断士の視点で解説します。
中小企業活性化協議会とは?公的な事業再生の相談窓口
中小企業活性化協議会とは、過剰債務や資金繰り悪化に苦しむ中小企業の再生を支援するために、各都道府県に設置されている公的相談窓口です。
結論から言うと、中小企業活性化協議会は「私的整理(裁判所の手続きを使わず、金融機関との話し合いで会社を立て直す方法)」を専門家がサポートしてくれる場所です。
商工会議所などの経営相談とは異なり、金融機関との交渉や返済条件の見直しといった、より踏み込んだ再生支援を担っているのが特徴です。
相談料はかかりません。
金融機関出身者や中小企業診断士、公認会計士、弁護士といった専門家が常駐し、企業ごとの事情に応じて支援します。
中小企業活性化協議会に相談できること・支援の流れ
中小企業活性化協議会では、主に次のような支援を受けられます。
- 資金繰りや財務状況の現状分析
- 金融機関への返済条件変更(リスケジュール)の調整
- 経営改善計画の策定支援
- 債権者間の調整を伴う本格的な私的整理手続き
相談の流れは、おおむね次のようになります。
1. 一次相談:現状のヒアリングと、支援対象になるかの見立て
2. 二次対応:専門家チームによる詳細な財務分析
3. 計画策定:金融機関に提示する経営改善計画の作成支援
4. 金融機関調整:関係する金融機関との合意形成
経営改善計画の作り方そのものについては、経営改善計画の作り方|自分で作る5つの手順でも詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。
認定支援機関との違い
中小企業活性化協議会とよく似た制度に「認定支援機関」があります。
認定支援機関とは、国が一定の実務経験や専門知識を認めた税理士・診断士・金融機関などの専門家・機関のことです。
中小企業活性化協議会は、この認定支援機関と連携しながら再生計画を作成するケースが多くあります。
つまり、活性化協議会が「相談の窓口・調整役」、認定支援機関が「計画作成の実務担当」という役割分担になることが一般的です。
認定支援機関の詳しい役割については、認定支援機関とは?補助金・融資申請で頼れる理由で解説しています。
相談する際の注意点
中小企業活性化協議会を利用する際は、次の点に注意しましょう。
早めの相談が前提
資金繰りが完全に行き詰まってからでは、選べる再生手法の幅が狭まります。
返済に不安を感じ始めた段階での相談が望ましいです。
支援対象になるとは限らない
事業に将来性がないと判断された場合、再生ではなく清算(会社をたたむこと)を勧められることもあります。
金融機関との合意が前提
私的整理は、あくまで金融機関との合意があって成立する手続きです。
協議会が間に入っても、全ての金融機関が条件変更に応じるとは限りません。
よくある質問
中小企業活性化協議会はどんな企業でも利用できますか?
業種や規模を問わず、中小企業・小規模事業者であれば基本的に相談可能です。
ただし、事業の継続可能性が見込めない場合は、支援の対象外となることもあります。
相談すると必ず情報が金融機関に伝わりますか?
一次相談の段階では、相談内容が金融機関に伝わることはありません。
本格的な調整に進む場合に、初めて金融機関との交渉が始まります。
まとめ|資金繰りに行き詰まる前に中小企業活性化協議会へ
中小企業活性化協議会は、過剰債務や資金繰りに悩む企業のために、私的整理や経営改善計画づくりを無料で支援してくれる公的窓口です。
金融機関との交渉が絡む本格的な事業再生は、一人で進めるにはハードルが高い分野です。
早めに専門家に相談することで、選べる選択肢が広がります。
弊社でも中小企業診断士として経営改善計画の策定支援を行っておりますので、資金繰りにご不安がある方はお気軽にご相談ください。
執筆・監修
中小企業診断士/株式会社ステラコンサルティング 代表取締役
『個人でできるスモールM&A実践録―銀座のネイルサロンを買収した中小企業診断士』著者。M&A・事業承継・経営改善の実務支援を行う。
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