事業承継やM&Aで専門家の力を借りたいけれど、「事業承継・M&A補助金」の申請方法が分からず手が止まっている経営者の方は多いのではないでしょうか。
公募要領を読んでも専門用語が多く、何をどの順番で準備すればいいのか掴みにくい制度です。
本記事では、事業承継・M&A補助金の申請の流れと必要書類を、補助率などの数字ではなく「実際の手続き」にしぼって解説します。
GビズIDの取得から交付申請までのステップ、書類準備でつまずきやすいポイントも合わせて紹介します。
初めて補助金の申請に取り組む方でも、迷わず準備を進められる内容です。
事業承継・M&A補助金の申請、何から始めればいい?
結論から言うと、最初にやるべきことは「GビズIDプライムアカウント」の取得と、「認定経営革新等支援機関」への相談の2つです。
認定経営革新等支援機関とは、国が経営相談の専門家として認めた機関のことで、中小企業診断士や金融機関、税理士などが該当します。
この2つは申請の入り口にあたり、どちらも取得・依頼に日数がかかるため、公募期間の締切間際に動き出すと間に合わないケースが少なくありません。
事業承継・M&A補助金は電子申請システム「jGrants」経由での提出が基本のため、まずGビズIDの発行から着手しましょう。
制度の全体像(対象となる4つの枠組みなど)は事業承継・M&A補助金とは?4つの枠と使い方を中小企業診断士が解説で詳しく紹介しています。
申請の流れ|GビズIDから交付申請までの4ステップ
事業承継・M&A補助金の申請は、大きく分けて4つのステップで進みます。
ステップ1:GビズIDプライムアカウントの取得
jGrantsでの申請にはGビズIDプライムアカウントが必須です。
発行には数日〜数週間かかることがあるため、公募開始前に取得しておくと安心です。
ステップ2:認定経営革新等支援機関への相談・確認書の取得
事業計画の内容について認定経営革新等支援機関の確認を受け、確認書を発行してもらいます。
申請したい枠(事業承継促進枠、専門家活用枠、PMI推進枠、廃業・再チャレンジ枠など)によって確認内容が変わるため、早めに相談しておきましょう。
ステップ3:事業計画の作成とjGrantsでの交付申請
事業承継やM&Aの目的、資金の使いみち、期待される効果を事業計画書としてまとめ、必要書類とあわせてjGrants上で交付申請を行います。
ステップ4:採択後の手続き
審査を経て採択されると交付決定の通知が届き、その後に事業を実施し、完了後は実績報告を提出します。
補助金は原則として事業完了後の後払いである点も押さえておきましょう。
事業承継・M&A補助金の必要書類一覧
申請時に求められる主な書類は次のとおりです(枠や年度によって異なるため、詳細は必ず最新の公募要領をご確認ください)。
- 履歴事項全部証明書(法人の場合)/確定申告書の写し(個人事業主の場合)
- 直近の決算書(貸借対照表・損益計算書)
- 事業計画書
- 認定経営革新等支援機関による確認書
- 専門家への支払いが発生する場合の見積書(仲介手数料など)
- 各枠に応じた追加書類(事業承継計画、譲渡契約に関する資料など)
書類の多くは決算書や登記簿謄本など、日頃から準備しておけるものです。
事業計画書だけは新たに作成する必要があるため、早めに着手することをおすすめします。
申請書類でつまずきやすい注意点
事業承継・M&A補助金の申請でよくつまずくポイントを3つ紹介します。
1. 支援機関の確認書に時間がかかる
確認書の発行は依頼してすぐに出るものではなく、事業計画の内容についてやり取りが発生します。
締切の直前に依頼すると間に合わない可能性があるため、公募開始と同時に相談を始めるくらいの余裕を持ちましょう。
2. 事業計画書の記載が抽象的になりやすい
「後継者がいないため」「事業を継続したいため」といった抽象的な記載だけでは、採択の判断材料として不十分です。
現状の課題、M&Aや事業承継によって何がどう変わるのかを、数値や具体例を交えて記載することが重要です。
3. 申請する枠を誤る
事業承継促進枠と専門家活用枠、PMI推進枠、廃業・再チャレンジ枠では、対象となる経費や条件が異なります。
自社の状況にどの枠が合うのか、申請前に認定経営革新等支援機関に確認しておくと安心です。
よくある質問
事業承継・M&A補助金の申請は自分だけでもできますか?
書類の提出自体は事業者本人でも可能ですが、認定経営革新等支援機関の確認書が必須のため、実質的には専門家との連携が前提となります。
事業計画書の完成度が採択に直結するため、早い段階から相談することをおすすめします。
認定経営革新等支援機関にはどこに相談すればいいですか?
中小企業診断士、税理士、金融機関などが認定を受けています。
すでに顧問税理士や取引銀行がある場合はまず相談してみるとよいでしょう。
M&Aや事業承継に関する相談実績がある専門家を選ぶと、事業計画書の作成もスムーズに進みます。
申請から採択まではどれくらいかかりますか?
公募回によって審査期間は異なります。
具体的なスケジュールは、申請時点の最新の公募要領で必ずご確認ください。
まとめ|事業承継・M&A補助金の申請は早めの準備がカギ
事業承継・M&A補助金の申請で最も重要なのは、GビズIDの取得と認定経営革新等支援機関への相談を早めに始めることです。
必要書類の多くは日頃の決算書類で対応できますが、事業計画書だけは中身の作り込みが採択を左右します。
個人でスモールM&Aによる会社の取得を検討している方は、個人がスモールM&Aで会社を買うには?探し方から成約までの流れを解説もあわせてご覧ください。
当社では中小企業診断士が認定経営革新等支援機関として、事業計画書の作成から補助金の申請サポートまでお手伝いしています。
申請を検討されている方は、お早めにご相談ください。
執筆・監修
中小企業診断士/株式会社ステラコンサルティング 代表取締役
『個人でできるスモールM&A実践録―銀座のネイルサロンを買収した中小企業診断士』著者。M&A・事業承継・経営改善の実務支援を行う。
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