経営革新計画とは?承認の要件・メリットと東京都・神奈川県での申請の流れ

「新しい商品やサービスを始めたいけれど、資金や信用面で後押しがほしい」と考えている経営者の方は多いと思います。

そんなときに検討したいのが、経営革新計画です。

この記事では、経営革新計画とは何か、どんな取り組みが対象になるのか、承認されると何が受けられるのかを、公式の案内をもとに整理します。

あわせて、東京都・神奈川県での申請の流れも紹介します。

経営革新計画とは?制度の全体像

結論から言うと、経営革新計画とは、中小企業が新しい事業活動に取り組み、経営の相当程度の向上を図るための計画を作り、都道府県知事などの承認を受ける制度です。

根拠となる法律は、中小企業等経営強化法です。

承認を受けると、政府系金融機関の融資や信用保証の特例など、さまざまな支援策の対象になります。

ただし、承認は支援策を使うための「前提条件」です。

融資や補助金そのものを約束するものではなく、支援策ごとに実施機関への申込みと審査が別に必要です。

対象となる「新事業活動」とは

経営革新計画では、自社にとって新しい取り組みであることが求められます。

都道府県の案内では、新事業活動として次の類型が示されています。

  • 新商品の開発または生産
  • 新役務の開発または提供
  • 商品の新たな生産または販売の方式の導入
  • 役務の新たな提供の方式の導入
  • 技術に関する研究開発およびその成果の利用
  • その他の新たな事業活動

たとえば、製造業が新しい製品を開発する、サービス業が新しい提供方法を取り入れる、といった取り組みが当てはまります。

取り組みの内容が自社にとってどう新しいのかを、計画書で説明できるようにしておきましょう。

承認に必要な数値目標

経営革新計画の計画期間は、3年・4年・5年のいずれかです。

神奈川県などの案内では、計画の終わりに、次の2つの指標がそれぞれ一定以上伸びていることを目標にするとされています。

計画期間 付加価値額(または一人当たり付加価値額) 給与支給総額
3年 9%以上 4.5%以上
4年 12%以上 6%以上
5年 15%以上 7.5%以上

神奈川県の案内では、これに加えて、計画終了年度に経常利益が黒字であることも求められています。

東京都で申請する場合も、申請先の最新の案内で数値目標を確認してください。

数値は「なんとなく」ではなく、売上や人件費の見込みから積み上げて説明できることが大切です。

承認されると使える主な支援策

神奈川県の公式案内には、承認企業が利用できる支援として、次のようなものが挙げられています。

  • 日本政策金融公庫の融資制度(新事業活動促進資金)
  • 県の制度融資
  • 信用保証の特例(通常の保証限度額とは別枠)
  • 中小企業投資育成株式会社法の特例
  • 国の補助金での加点など

支援策は計画期間中に限って利用できます。

どの支援策が使えるかは、都道府県や時期によって異なるため、申請先の最新の案内で確認してください。

東京都・神奈川県での申請の流れ

東京都の場合

東京都では、東京都(産業労働局)が承認します。

申請は指定の様式で作成し、提出には電話での予約が必要で、原則として事業者本人が提出します。

審査は書類審査で、毎月の審査会で行われます。

都の案内では、申請から結果の通知まで数か月かかるとされています。

申請書の作成段階では、東京都中小企業振興公社が、予約制の無料面談で申請書のブラッシュアップを支援しています。

神奈川県の場合

神奈川県では、県知事が承認します。

令和7年(2025年)3月から、GビズIDを使った電子申請になっています。

電子申請の前に、商工会議所・商工会や、神奈川産業振興センター、よろず支援拠点などの申請相談窓口で、確認と助言を受ける必要があります。

神奈川県の申請相談窓口は、いずれも事前予約制です。

よろず支援拠点の使い方は「よろず支援拠点とは?何度でも無料で相談できる内容と上手な使い方」でも紹介しています。

経営力向上計画との違い

名前が似ている制度に、経営力向上計画があります。

経営力向上計画の内容と申請の流れは「経営力向上計画とは?認定のメリットと申請の流れをやさしく解説」で解説しています。

自社の取り組みがどちらに合うかは、それぞれの公式の案内で対象と支援策を確かめたうえで判断してください。

よくある質問

創業したばかりでも申請できますか?

東京都中小企業振興公社の無料面談は、直近1年以上の営業実績があり、税務署への申告を済ませた事業者が対象とされています。

申請そのものの要件は、東京都・神奈川県など申請先の最新の案内で確認してください。

承認されれば必ず融資を受けられますか?

いいえ。承認は支援策を利用するための前提条件で、融資や保証は、それぞれの実施機関の審査を経て決まります。

まとめ

経営革新計画とは、新しい事業活動で経営の向上を目指す計画を、都道府県知事などが承認する制度です。

3〜5年の計画で、付加価値額と給与支給総額を伸ばす目標を立て、承認されると融資や信用保証の特例などの支援策の対象になります。

東京都は都の書類審査、神奈川県は相談窓口での確認を経た電子申請という流れです。

当社では中小企業診断士が、新しい事業の計画づくりや数値計画の作成をお手伝いしています。

経営革新計画の申請を検討している方は、お気軽にご相談ください。

※制度の内容は2026年10月時点の東京都・神奈川県などの公式案内をもとにしています。申請の際は、必ず申請先の最新の案内をご確認ください。

執筆・監修

木下 綾子

中小企業診断士/株式会社ステラコンサルティング 代表取締役
『個人でできるスモールM&A実践録―銀座のネイルサロンを買収した中小企業診断士』著者。M&A・事業承継・経営改善の実務支援を行う。


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