会社員を続けながら中小企業診断士として活動している方から、「いつ独立すべきか分からない」という相談をよく受けます。
収入が読めない不安、案件が途切れるかもしれない恐怖。
独立のタイミングに「正解」はありませんが、判断を誤らないための基準はあります。
この記事では、兼業診断士が専業化を検討する際に見るべき3つの基準と、独立を急がない方がいいケースを解説します。
読み終える頃には、自分が今どの段階にいるかが整理できるはずです。
中小企業診断士の独立タイミング、結論は「3つの基準」で決まる
結論から言うと、独立のタイミングは「収入」「案件」「時間」の3つの基準がすべて揃ったかどうかで判断します。
どれか1つだけが整っていても、独立後に苦しくなるケースが多いためです。
たとえば収入の見込みがあっても、案件が単発の紹介止まりであれば、独立後に仕事が途切れるリスクが残ります。
逆に案件は順調でも、本業と兼業の両方をこなせる体力があるうちは、あえて兼業を続けるという選択も十分に合理的です。
以下で1つずつ見ていきます。
基準①収入―独立後も生活が回る見込みがあるか
まず確認すべきは、独立した場合に本業収入の何割を診断士業務でまかなえそうかです。
兼業の間に、診断士としての収入だけで生活費と事業経費をカバーできる水準に近づいているかを、実際の入出金で確認しておきます。
貯蓄で数か月〜1年をしのげる見込みがあるかどうかも、判断材料の一つです。
独立直後は収入が不安定になりやすいため、余裕を見て計画することが欠かせません。
基準②案件―「紹介」から「指名」に変わっているか
次に見るべきは、案件の質の変化です。
兼業の初期は、知人の紹介や単発の仕事が中心になりがちです。
これが「あなたに頼みたい」という指名の依頼に変わってきたら、専業化を検討する目安になります。
指名の依頼が増えているということは、本業の看板を借りずに自分自身が選ばれているということだからです。
継続的な顧問契約や、複数の相談先から声がかかる状態になっているかも、あわせて確認しましょう。
基準③時間―兼業の限界を感じ始めているか
3つ目は、本業と診断士活動を両立させる時間と体力の限界です。
平日夜や休日を使って案件対応を続けていると、いずれ本業のパフォーマンスにも影響が出てきます。
「対応したいのに本業の都合で断らざるを得ない」場面が増えてきたら、兼業の限界が近いサインです。
この段階になっても独立を先延ばしにすると、せっかくの依頼を逃し続けることになりかねません。
独立を急がない方がいいケース
一方で、収入や案件が整っていても、独立を急がない方がいいケースもあります。
たとえば、家族のライフイベントが控えている、住宅ローンの審査を控えているといった個人的な事情がある場合です。
また、専門分野が特定の業界に偏っている場合、その業界の景気変動に収入が左右されやすくなります。
複数分野に案件を広げられるまで待つという判断も、リスク管理の一つです。
独立後に想定外のつまずきを避けるには、事前の準備が重要になります。
具体的な準備の進め方は、中小企業診断士として独立するには?独立前に整えておきたい準備と心構えで詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
よくある質問
兼業の期間はどれくらいが目安ですか?
明確な年数の目安はありません。
前述の3つの基準(収入・案件・時間)が揃うタイミングは人によって異なるため、期間ではなく状態で判断することをおすすめします。
独立後に案件が減ったらどうすればいいですか?
兼業期間中に築いた紹介元との関係を維持しつつ、独立後は営業活動の幅を広げることが対策になります。
実際にどのようなルートで仕事を得ているかは、中小企業診断士が独立後に仕事を得るには?実際の営業・紹介ルートを解説で紹介していますので参考にしてください。
独立して失敗しやすいのはどんな人ですか?
準備不足のまま勢いで独立してしまうケースが典型的です。
陥りやすい落とし穴については、中小企業診断士の独立で失敗する人の共通パターンとは?陥りやすい5つの落とし穴にまとめていますので、独立前に一度確認しておくと安心です。
まとめ:独立のタイミングは「準備」が整った時
中小企業診断士の独立タイミングは、収入・案件・時間の3つの基準がどれだけ整っているかで見極めます。
焦って専業化するのではなく、兼業の間に基準を一つずつ満たしていくことが、独立後の安定につながります。
独立のタイミングや準備の進め方に迷ったときは、中小企業診断士への相談も一つの方法です。
当社でも個別のご相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
執筆・監修
中小企業診断士/株式会社ステラコンサルティング 代表取締役
『個人でできるスモールM&A実践録―銀座のネイルサロンを買収した中小企業診断士』著者。M&A・事業承継・経営改善の実務支援を行う。
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